いばらのムチ -鞭の自作-

自分だけのオリジナルの鞭を自作しよう。

タークスヘッドを作ってみる

 ハンドルのお尻にノット(結び目)をつけます。

今回作るのは「Turk's Head(タークスヘッド)」という結び方です。

タークスヘッド

ノットのためのレースは、

オーバーレイを作ったときに出た余りを使います。

ストランドをドロップしたら、

レースが結構余ってしまったんで、

ノットにちょうど良い長さということもあり、

それを再利用です。

参考テキストにタークスヘッドの結び方が紹介されているんですが、

分かりにくくて何度か結んでは解きの繰り返しで

どうも上手くいきません。

色々探してみたら、

結び方を分かりやすく紹介したサイトがありました。

Turks Heads and Mats 

リンク先に格子状の編み目の図が載っています。

その編み目に沿って編んでいけば、

タークスヘッドが簡単に結べるというものです。

なるほど、この方法なら、

bight数とlead(part)数も自由自在に変えられますね。

というわけで、早速このサイトを参考に、

まずは格子状の短冊を作ります。

今回は5-bight,8-leadにしました。

さらに今の編みこみ位置がよく分かるように線にも色をつけています。

短冊

この短冊の場合、右端の上から4つ目の点を始点に上に向かって、

黒→青→赤→緑→黒破線→青破線→赤破線→緑破線

の順に追っていけば、

いつの間にかタークスヘッドが出来上がっているというわけです。

では実際に編みこんでいきます。

作った短冊を編みたい部分のすぐ横に巻きつけます。

巻いた短冊

短冊に引いた線の通り、

重なりの上下に注意しながら色分けした順に編んでいくと、

こんな感じに編みあがりました。

出来上がったタークスヘッド

最初に苦労していたのがウソのようです。

同様にハンドル上部に、もう1つノットを結んでハンドルの完成です。

 完成したハンドル

そういうわけで、作るのが難しかったタークスヘッドなんですが、

この短冊があれば、あれこれ迷わずに結べそうです。

ブルウィップにきちんとタークスヘッドが結べると、

完成度がアップしていい感じですね。

 

オーバーレイを作る

 オーバーレイはブルウィップの一番外側の層になります。

基本はベリーを切り出したときと同じように進めます。

ノギスで補助線をつけながら、

せっせとカッターでレースをカットします。

8foot/12plaitということでかなり長いです。

ストランドが12本と本数も多くてカットが大変です。

切り出し&べべリングが終わって、

プレイティングソープ/レザードレッシングを塗ったオーバーレイ。

オーバーレイのレース

レザードレッシングを塗りすぎたのか、

黒っぽくなってます。

次からはレザードレッシングは、

なるべく薄く塗るようにしよう。

 

インディータイプのブルウィップは、

ハンドル部分が市松模様になっているものが多いようです。

インディータイプのブルウィップ

最初の1本目はお手本に習い、

市松模様に編んでいきます。

ハンドルを市松模様に編み終えたところ。

市松模様のハンドル

ここから先は、under2/over2シーケンスに切り替えて、

ブルウィップの先端まで編みこみを続けます。

 

フォールを作ってみる

 今日はフォールを作ります。

フォールの素材には主にwhitehideが使われるようですが、

日本語だと何に該当するのかよく分からなかったので、

他に色々見ていると、

ラティーゴとかブライドルもフォールに使われている模様。

革のキメがぎゅっと詰まった、

オイルや蝋分がたっぷり染みこんだ丈夫な革が

フォールに向いているようです。

そういうわけで、今回は比較的入手のしやすかった

ブライドルのレースを使ってみます。

ブライドルのレース

作り方は下の動画を参考にしています。

Whip Tutorial: How to Make a Leather Fall

Make whip fall

まずはレースを少し先細りになるようテーパーをつけます。

次に太い方の端に切れ込みを縦に入れます。

切れ込み

この切れ込みは鞭本体と結ぶための穴となります。

切込みを入れたレースをフックなどで固定し、

四方の角をべべリングします。

切れ込み周辺もべべリングして丸みを持たせます。

べべリングが終わったら、

プレイティングソープ/レザードレッシングを塗ります。

そして、スクラップのレースを巻きつけて、

上下に動かしながら擦りこんでいきます。

全体がなじんできたら、仕上げにレザードレッシングを塗って

フォールの出来上がりです。

フォールの完成

 

ベリー&ボルスターの取り付け

  ブルウィップのレイヤー構造は中心から順に、

 コア
 ベリー①
 ボルスター①
 ベリー②
 ボルスター②
 オーバーレイ

となってます。

今回はこの内のベリー①~ボルスター②までを作っていきます。

まずは、この前作ったコアにべりー①を取り付けます。

ベリー①にプレイティングソープ/レザードレッシングを塗ったら、

ハンドル部分をシニューで固定します。

そしてコアの上にしっかりと編んでいきます。

編み終わったら、コロコロ板に乗せて、コロコロ転がし整形します。

コロコロ板とは、板切れをクッキングシートで覆って作ったものです。

コロコロ板

作りかけのムチを板に挟んでコロコロ転がすことで、

形を整えて見た目を良くします。

ベリー①の取り付けが終わりました。

ベリー①

次はボルスター①の取り付けです。

ボルスター①にレザードレッシングを染み込ませたら、

ハンドル部分をシニューでしっかりと固定します。

ボルスター①のハンドル

ボルスター①を取り付けたところ。

ボルスター①

ここでついでに、

ハンドルのお尻の基礎部分も作ってしまいます。

参考テキストでは、柄の重りの素材として鉛板を使用していますが、

鉛は人体や環境に有害なため使わず、

代わりに害の少ない銅板にしました。

銅は鉛より比重が軽く、重りという点では劣りますが、

使う人やゴミになった後のことも考えると鉛フリーがいいですよね。

そういうわけで、銅板を適当な幅にカットして、

柄の先端にくるくると巻きつけます。

巻きつけた銅板

そうしたら小さな釘で固定し、

少し形を整えたらノットの基礎の出来上がりです。

ノットの基礎

次にベリー②を取り付けます。

ベリー②にプレイティングソープ/レザードレッシングを塗ったら、

ハンドル部分をシニューで固定します。

そしてベリー①同様にしっかり編んでいきます。

編み終えたら、ここでもコロコロ板に乗せて、

コロコロと転がし整形します。

ベリー②の取り付けが終わりました。

 ベリー②

なんとなくブルウィップらしくなってきましたね。

さらにこの上にボルスター②を取り付けます。

次はオーバーレイを作っていきます。

 

レースを編む前の前処理 -べべリング

 革のレースをべべリング(角を落とす)すると、

鞭の出来上がりの見栄えが良くなります。

べべリングすることで、ムチを編みあげたときに、

レースとレースが重なる部分がデコボコするのを抑えられるんですね。

べべリング加工は、レースを断面から見たときに

八の字形にしたり、平行四辺形にしたりします。

べべリングのイメージ

今回は八の字形にべべリングします。

その前にいくつか前処理が必要です。

bullwhips.org では、

 

 引っ張って伸ばす

 ↓

 幅の調整

 ↓

 引っ張って伸ばす

 ↓

 厚みの調整

 ↓

 引っ張って伸ばす

 ↓

 べべリング

 

の手順で加工してる模様。

なぜ引っ張って伸ばすのかというと、

一つはレースが真っ直ぐになるように矯正するため、

もう一つは今のうちに弱い部分を見つけておこうというわけです。

鞭を編んでいる途中、

レースがぶちっと千切れてしまうと悲しいですからね。

というわけで、まずは引っ張って伸ばすところから。

クリップ型の金具にレースを通し、ぎゅっと引っ張ります。

最初はどのくらいの力で引っ張ればいいのか分からなかったんだけど、

カンガルーの革は引張強度が高く、

かなり力を込めて引っ張っても千切れません。

ある程度レースを引っ張って伸ばしたら、

一度厚みを確認してみます。

次にぱっと見で明らかに幅の広い部分を

削ぎ取るようにして幅を均一にしていきます。

幅の調整

一通りだいたい幅をならしたら、また引っ張って伸ばす。

最後にべべリングして完成です。

べべリングしたレース

カッターでべべリングするときは、

新しい刃を使ったほうが、切り口がきれいになっていいですね。

そういうわけで、次は出来上がったレースに、

プレイティングソープを塗って編んでいきます。

 

コアの作成

  ブルウィップのコアを作ります。

鞭本体作成の最初のステップということで、

しっかりと作りたいところです。

この大きなボルトをコアの芯にします。

芯のボルト

先端のネジが切ってある部分は削って丸めました。

芯にする材料は、細長くて丈夫なものなら何でも良いようです。

コアにする革は、巻いたときに段々にならないように、

端をすべてべべリングして角を落とします。

コアの革

べべリングはカッターで少し斜めにそいだだけの簡単なものです。

そして革にレザードレッシングを施したら準備完了。

芯のボルトを革で覆い、

アーティクルシニューでぐるぐる巻いて固定し、

そこにコアの革をくっつけて、

あっという間にコアが出来上がりました。

コア

次はこの上にベリーを編んでいきます。

 

ベリーをカットする

 今日はカンガルーの革からベリーを切り出します。

カンガルーの革は牛革より小さいのであまり無駄にはできません。

カンガルーの皮

なるべくロスのないように使いたいところです。

一応頭の中ではどうやって切ったらいいのかイメージはあるんだけど、

いきなり切るにはちょっと勇気が。

失敗したらもったいないので、

革の端っこを使ってカッターナイフの切れ具合を見ながら少し練習です。

さらに練習のつもりで、

革の周りの端の要らない部分をぐるーっと一周カットしていきます。

トリミング後の革

ちょっとずつカッターにも慣れてきた感じです。

これでレースが切り出しやすくなりました。

次にレースを切り出していきます。

レースは決まった幅で切り出す必要があるんだけど、

まだ慣れていないので、

カットしやすいようにノギスを使って革に補助線をつけていきます。

この補助線に沿ってレースを切っていこうというわけですね。

ノギスで補助線を引く

ストランダーやレースメーカーなどのレースを作るための

便利なツールもあるようです。

今回はどちらも持っていないので、

ここは目印をつけながら地道にカッターで切っていきます。

そして慎重に少しずつ切り進めること数時間。

ようやくベリーが2つ切り終わりました。

切り終わったベリー

残りの革からさらに、

オーバーレイとハンドルに巻くためのレースを切り出します。

今日はここでおしまい。