いばらのムチ -鞭の自作-

自分だけのオリジナルの鞭を自作しよう。

シェラックについて

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 シェラックは天然の樹脂です。

ラックカイガラムシという昆虫が樹木に住み着き、

吸った樹液を体外に分泌すると樹脂状の塊になり、

それを精製するとシェラックになります。

人体に無害ということもあり、

ガムやチョコレートの光沢材としても使われています。

含蝋と脱蝋があり、ムチの仕上げには脱蝋のものを使っています。

このシェラックをアルコール溶液にして使います。

 

シェラック溶液の作り方

用意したもの
・ブロンズシェラック 12g
・無水エタノール 100cc(薬局で売ってます)
・保存ビン

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 無水エタノールとシェラックをビンに入れ、

一晩置けば出来上がりです。

完全に溶けない場合は、少し振ってやると溶けてくれます。

シェラックの量を調整することで、濃度を自由に変えられます。

使うときは筆や刷毛で塗ります。乾燥もあっという間です。

塗り重ねるほど光沢が出ます。

 

4.5-foot/12-plaitブルウィップの完成

 気づけば写真をいろいろ撮り忘れて、

2本目は途中の絵がないです。

そういうわけで、絵少なめで前回の続きです。

まずはオーバーレイから。

オーバーレイはナチュラルを赤で染めました。

カラーリングに使ったのは、

ローパスバチックという塩基性の染色剤です。

ローパスバチック

水で薄めて手軽に濃度が変えられます。

タンニンなめし革のタンニンと相性が良いらしく、

きれいな染め上がりです。

ただ残念なことに、

編みこんでいる間にレザードレッシングが浸透して、

色が濃くなってしまいました。

変色を考慮して濃度を調整する必要がありそうです。

オーバーレイの編みこみは、

ダブルダイヤモンドからunder-2シーケンスへと切り替えてます。

ダイヤの形に濃淡のグラデーションをつけたつもりなんですが、

微妙な色分けになってます。

ハンドルには、タークスヘッドと

スパニッシュリングノットを巻いてます。

フォールとクラッカーを取り付けて、

最後にシェラックコートしたら、

ブラッディなブルウィップの完成です。

ブルウィップ1ブルウィップ2

ブルウィップ3ブルウィップ4

ブルウィップ5

 もち手の部分はロッド風に仕上げるつもりのはずが、

出来上がってみると、

微妙に思い描いていたものとは違っていて、

なんとなく怪しさ満点です。

クラックは一応できるっぽいので、

これでいろんな技の練習ができそうです。

 

ブルウィップ2本目です。

 毎日暑いですね。

ロンドンオリンピックが始まり、

連日のガンバレニッポンコールで、

さらに暑さが増している今日この頃です。

さて、長鞭もいいのですが、

部屋の中でも気軽にクラックの練習ができるよう、

短めの鞭がほしいところ。

そういうわけで、

2本目は4~5-footくらいのブルウィップを作ろうと思います。

まずはコアの作成です。

芯となる棒に革を巻きつけ、

コアのためにカットした革をくっつけます。

コア

これにベリー①を編みこみ、

ベリー①

ボルスター①を巻きます。

ボルスター①

ベリー②を編んだら、

 ベリー②

ボルスター②を取り付けます。

途中コロコロ台の上で転がし、形を整えます。

次はオーバーレイを作っていきます。

 

ウィップホルダー

 あると便利なウィップホルダー、

というより、

ないと不便だったので急遽作成。

ウィップホルダー1

ベルトに装着できるタイプではなく、

巻きつけてボタンで留めるだけの簡単なものです。

ブルウィップを作ったときのハギレで作ってます。

ウィップホルダー2

ハトメ抜きで革に穴を開け、

ホック打ちでバネホックを固定して出来上がり。

ウィップホルダー3

鞭がきれいにまとまって、

見た目もなんとなくクールに見えるのでした。

 

8-foot 12-plait ブルウィップの完成

  いよいよ仕上げです。

ブルウィップの先端にフォールとクラッカーを取り付けます。

取り付け方については1つ前の記事にまとめました。

最後にブルウィップの本体にシェラックコーティングして、

8-foot/12-plait ブルウィップの完成です。

bullwhip1 bullwhip2

bullwhip3 bullwhip4

手に持つと少し重たい感じ。

早速、近くの土手に行ってクラッキングしてみることに。

キャップを被り、メガネを掛けて自爆に備えます。

軽く振ってみた感じ、やっぱりちょっと重たいのか、

鞭に振られてる感じがしなくもない。。

何回か振ってると、たまにぱーんといい音が出たときは楽しいです。

でもどうやって鳴らしたのか、いまひとつぴんと来ず。。

上手い人のお手本を見てまだまだ練習が必要なようです。

そういうわけで、まだ上手くクラックできないけど、

いい感じのbullwhipができたと思います。

 

フォールの取り付け&クラッカーの取り付け

 この記事で作ったフォールをブルウィップの本体に取り付けます。

フォールへの結び方は何種類かあるんですが、

どれもややこしそうです。

とりあえず下の動画の# 3を参考にしながら、

1本1本のレースをそれぞれフォールに止め結びしていきます。

最後にぎゅっと引っ張って、

取れないことを確認してなんとか取り付け完了です。

なんとなくいびつな感じに。

フォールの結び目

 次は、この記事で作ったクラッカーを取り付けます。

クラッカーの取り付け方法も何種類かあるようで、

その中でも一番簡単な方法でつけてみます。

クラッカーの取り付け

①クラッカーの先端にフォールを差し込む。

②折り返してできた輪に通す。

③引っ張っても取れないくらいしっかり結び目を絞る。

 

How to change your whip fall video #1

 How to change your whip fall video # 2

 How to change your whip fall video # 3

 

タークスヘッドを作ってみる

 ハンドルのお尻にノット(結び目)をつけます。

今回作るのは「Turk's Head(タークスヘッド)」という結び方です。

タークスヘッド

ノットのためのレースは、

オーバーレイを作ったときに出た余りを使います。

ストランドをドロップしたら、

レースが結構余ってしまったんで、

ノットにちょうど良い長さということもあり、

それを再利用です。

参考テキストにタークスヘッドの結び方が紹介されているんですが、

分かりにくくて何度か結んでは解きの繰り返しで

どうも上手くいきません。

色々探してみたら、

結び方を分かりやすく紹介したサイトがありました。

Turks Heads and Mats 

リンク先に格子状の編み目の図が載っています。

その編み目に沿って編んでいけば、

タークスヘッドが簡単に結べるというものです。

なるほど、この方法なら、

bight数とlead(part)数も自由自在に変えられますね。

というわけで、早速このサイトを参考に、

まずは格子状の短冊を作ります。

今回は5-bight,8-leadにしました。

さらに今の編みこみ位置がよく分かるように線にも色をつけています。

短冊

この短冊の場合、右端の上から4つ目の点を始点に上に向かって、

黒→青→赤→緑→黒破線→青破線→赤破線→緑破線

の順に追っていけば、

いつの間にかタークスヘッドが出来上がっているというわけです。

では実際に編みこんでいきます。

作った短冊を編みたい部分のすぐ横に巻きつけます。

巻いた短冊

短冊に引いた線の通り、

重なりの上下に注意しながら色分けした順に編んでいくと、

こんな感じに編みあがりました。

出来上がったタークスヘッド

最初に苦労していたのがウソのようです。

同様にハンドル上部に、もう1つノットを結んでハンドルの完成です。

 完成したハンドル

そういうわけで、作るのが難しかったタークスヘッドなんですが、

この短冊があれば、あれこれ迷わずに結べそうです。

ブルウィップにきちんとタークスヘッドが結べると、

完成度がアップしていい感じですね。